投資

高配当株投資は大金持ちの特権なのか?

 配当金で生活したい。そう思ったことのある人は多いと思う。
 でもいざ計算してみると、必要な元本の大きさに「自分には無理かも」と感じてしまう。
この記事では、その思い込みがなぜ生まれるのかと、増配という視点を加えると話がどう変わるかを書いてみました。

「高配当株投資はお金持ちの投資」という思い込み

 配当金で生活できたら、どれだけいいだろう。

 働かなくても定期的にお金が入ってくる。
 資産を取り崩さずに生活が成り立つ。
 そんなイメージに惹かれながらも、「自分には無理だろう」と感じている人は多いと思います。

 その根拠になっているのが、こんな計算式。

  年間で欲しい配当金 ÷ 利回り = 必要な投資元本

 たとえば年100万円の配当金が欲しいとする。
 平均利回り3%の銘柄に投資するなら、必要な元本は約3,300万円。

 この数字を見た瞬間、「やっぱり無理か」と思った人は多いのではないでしょうか。

 高配当株投資とは、すでに大きな資産を持っている人がさらに増やすためのもの。
 そんな印象が広まっているのも、まあ仕方ないとは思う。

 でも私は、それが完全に正しいとは思っていません。

結論:増配を加味すれば、現実的な射程に入ってくる

 先に結論を言ってしまう。

 高配当株投資は、「最初から何千万も持っている人」だけのものではない。
 増配という視点を加えると、話はかなり変わってきます。

 ここで言う「増配」とは、企業が毎年少しずつ配当金を増やしていくことだ。
 日本でも、連続して増配を続けている企業は少なくない。

 仮に毎年平均3〜5%ずつ増配が続くとすれば、最初に受け取る配当金は少なくても、時間が経つにつれて受取額は自然と増えていく。
 つまり、スタート時点で「欲しい配当金÷利回り」の元本をすべて用意しなくても、中長期で積み上げることで現実的な水準に近づけられる可能性がある。 

 もちろん、増配が保証されているわけではないし、業績次第で減配になるリスクもある。
 それでも、この視点を持っているかどうかで、高配当株投資への入り方はかなり変わると思っている。

よくある計算式(欲しい配当金÷利回り)の落とし穴

 高配当株投資を調べると、必ずと言っていいほど出てくる計算式がある。

 年間で欲しい配当金 ÷ 利回り = 必要な投資元本

 たとえば年間120万円(月10万円)の配当金を目標にするなら、利回り4%の銘柄に投資する場合、必要な元本は3,000万円になる。

 この計算自体は間違っていない。
 でも、見落としている点があるのです。

 それは「今の利回りで、今必要な配当金を稼ぐ元本」しか計算していないという点だ。

 つまりこの式は、「投資元本がすべて揃った瞬間から配当金生活が始まる」という前提に立っている。
 でも実際の投資はそうじゃない。少しずつ買い増していくし、企業が増配することもあるし、受け取った配当金を再投資することもできる。

 私自身、最初にこの計算をやってみたとき、正直「これは現実的ではない」と思った。
理想の配当金から逆算した元本の大きさを見て、自分がそこに到達できるイメージが持てなかった。
 そんな気持ちになったのを覚えている。

 それでも、「まずは少額でもいいから、配当金を受け取ってみよう」と思って始めることにした。毎月払っているサブスクの1本分でも配当金で賄えたら、それでいいという気持ちだった。

増配率を組み込むと何が変わるか

 ここが、私が高配当株投資を続けている一番の理由かもしれない。

 「増配」って言葉、聞いたことある人も多いと思う。
 企業が毎年少しずつ配当金を増やしていく、あれです。

 たとえば、こんな感じでイメージしてみてほしい。

 仮に100万円を利回り4%の銘柄に投資したとする。
 最初にもらえる配当金は年4万円。月3,000円ちょっと。
 「少なっ」と思うかもしれない。

 でもその企業が毎年5%ずつ増配し続けたとしたらどうでしょう?

  • 投資から10年後:年間約6.2万円
  • 投資から20年後:年間約10.1万円

 ※前提:元本100万円・初年度利回り4%・毎年増配率5%で試算。税金・手数料は含まず。

 同じ100万円の投資なのに、20年後には利回りが10%超になっている計算だ。

 さらに、受け取った配当金をそのまま再投資に回すとどうなるか。

 配当金で新たに株を買い増していくと、保有株数が増える。
 株数が増えれば、翌年もらえる配当金もその分増える。
 増えた配当金をまた再投資する……この繰り返しで、雪だるま式に配当金が育っていく。

 増配だけでも時間が味方になるのに、再投資まで組み合わせると、そのスピードがさらに上がる。

もちろん増配率がずっと一定とは限らないし、業績次第で変わることもある。
でも「時間が経つほど、同じ元本から受け取れる配当金が増えていく」という構造は変わらない。

 この事実を知ってから、私は高配当株投資への見方がかなり変わって、「今すぐ大きなお金を用意しないといけない投資」じゃなくて、「時間を味方につける投資」なんだと思えるようになった。

実際に受け取ってみて感じたこと

 理屈は分かった。でも「実際どんな感じなの?」って思う人もいると思う。

 私が初めて配当金を受け取ったとき、金額は数百円程度だった。
 でも金額の大小より、「お金に働いてもらってる!」って感じたのを覚えています。

 これはインデックス投資の含み益を見ているのとは全然違う感覚でした。

 その数百円の配当金でコーヒー買ったけど、いつもより美味しかったです笑

 資産を売っていないのにお金が入ってくる、この感覚は実際に体験してみないと分からないものです。

 それともう一つ気づいたのは、配当金ってモチベーション維持にめちゃくちゃ効くということ。

 度々暴落みたいなのが来ると大きく評価額が減って含み損になったりすることはあるけど、高配当株投資って”金のなる木”だからまず売却することはないし、ポートフォリオ上の含み損とかはあんまり気にしなくて良いです。配当金の減配さえなければ株価は放っておけばそのうち戻ってくるかなーって、それくらい大きく構えておけばいいと個人的には思っています笑

まとめ:始めるなら早いほどいい理由

 大切なのは自分がどのくらいの配当金をもらうことを目的としていて、それを達成するまでに今自分はどれくらいの位置にいるのかを把握することです。

 目標を早く達成したければ配当金を全部再投資するのも良し、ゆっくり到達すればいいからもらった配当金は使っていくというのも良し。人それぞれです。

 配当金なんて自分には縁のない話だなんて思い込むのはもったいないです。もちろん高い目標を達成するにはある程度まとまった資金が必要になるのは事実ですが、はなからあきらめずに少額からでも始めた人だけがいつしか高みに到達できるのだと思います。

 私もまだまだ登頂まで道のりは長いですが、配当金投資について少しでも伝わればと思い書いてみました。

 ではまた。