投資

高配当株投資と4%ルールの実践

 投資スタイルについての話。

 まだサイドFireとかの考え方を知る前、投資を初めてしばらくの間はオルカンを中心に投資信託だけ買っていました。

 オルカンとかS&P500みたいな投資信託は分散が効いていて手数料も低く、それだけを積み立てて買い続けていても、長期で運用すれば老後資産等リタイア後の生活費を用意する手段として十分有効だと思います。

 ところでそうして積み立てた資産は、リタイア後には具体的にどうやって資産を取り崩していくのでしょうか。

4%ルールの理論と心理的な抵抗

 Fireしようとする場合、いわゆる4%ルールに則って、生活資金の25年分を貯めてからリタイアして、その資産を取り崩しながら生活していくのが一般的かと思います。

4%ルールについて

 FIREの「4%ルール」とは、年間生活費の25倍の資産を用意し、その4%分を毎年取り崩して使うことで長期間資産を減らさず生活できるという考え方です。

  • 年間支出 × 25倍=必要な資産額。例えば年間の生活費が300万円なら、25倍の7500万円が目安。
  • その資産を年4%程度で運用しながら、毎年4%分を取り崩して生活費に使う設計。
  • このルールで取り崩していけば、約30年以上の長期で資産が枯渇せずに生活できるという前提で設計されています。

 定年後にリタイアする場合や、例えば45歳で早期リタイアする場合でも、この4%ルールは基本的に同じ考え方で使われます。ただリタイア年齢が若いほど資産の取り崩し期間が長くなるため、途中で資金が枯渇するリスクは高くなります。

 そのためリタイアする年齢が定年よりも早い場合、それに応じて取崩し率を4%よりも低くする(3%とか)など調整が必要になるかもしれません。

 サイドFireの場合、生活資金の半分程度をサイドワークで稼ぐと仮定すると、取り崩し率は2%くらいでも良いかも知れません。

とはいえ取り崩しは心理的な抵抗が・・・

 以上が4%ルールの理論になるわけですが、積み立ててきた資産を取り崩すのって結構不安じゃないですか?

 頭では理論はわかっていても、収入が無い、もしくは少ない中で今までコツコツ増やしてきた資産を取り崩し続けるのは怖いです。

 株価の暴落は何度も来るでしょうし、病気や怪我、トラブルなど予期せぬ支出もあるでしょう。そんな時でも淡々と資産を取り崩し続けるのはなかなかタフなメンタルが必要です。

 Fireする前に念入りにシミュレーションしたとしてもその通りにならないのが人生です。けどできることなら安心して暮らしたい。私は心配性なので、ゆるく生きて行くにはこの不安は少しでも対策して軽減しておきたいと思いました。

高配当株投資という選択肢

 取り崩しが怖いと思うのは、今まで積み立ててきたものが少しずつ失われていく感覚があるからだと思います。

 それならば取り崩しをすることなく、配当金という不労所得を得ることができる高配当株投資が選択肢になってきます。

 他にも不労所得を得る方法として不動産投資なども考えましたが、不動産投資は始めるのにまとまった資金が必要ですし、適した物件がすぐ見つかるとも限りません。また、始めた後も手間がかかるので、投資というより事業に近いイメージ。初心者にはハードルが高いのでやめました。

 そんなこんなで、これまでのオルカンの積立に加えて高配当株投資を始めてみました。

 とはいえ初めは何の株を買えばいいのかわからなかったので、まずは手軽にETFで買える米国株から手を出し、慣れてきてから日本の個別株を買い始めました。

米国の高配当株投資について

 米国の高配当株投資はETFを買っています。代表的な高配当株ETFはいくつかありますが、私はVYMSPYDHDVの3つを買っています。

 どれも経費率が低く分散が効いているため、安定したインカムを重視した長期投資に向いていると思います。

分配利回り経費率分配月
VYM2.52%0.06%3・6・9・12月
SPYD4.63%0.07%3・6・9・12月
HDV3.11%0.08%3・6・9・12月

※分配利回りは2025/11/22時点のもの 

メリット

①優良な高配当株式ETFが揃っている

 個人的に米国高配当株投資の一番のメリットがこれです。ひとつひとつ個別株を買い集めていかなくてもETFを買うだけで分散投資ができる点が本当に楽です。

 高配当ETFに投資することで、個別企業のリスクが分散され、一社の減配や株価下落の影響を和らげることが可能です。また、どのETFも経費率が非常に低く、0.06〜0.08%です。長期投資に有利といえます。

②企業の増配傾向と長期成長性

 アメリカの上場企業には何十年も連続で増配している例が多く、配当が将来減るリスクが限定的です。米国の人口増加や経済成長に伴い、配当と株価の両面で長期的な資産増加が期待できます。

③年4回の分配がある

 日本株は中間、期末の年2回の配当が多いですが、米国高配当株は四半期ごと(年4回)など高頻度で配当が支払われる企業が多く、定期的かつ安定した現金収入が得られます。年4回配当金を受け取ることで、投資の実感が持てて投資継続のモチベーションになっています。

デメリット

①為替リスク

 米国株投資は日本円資産に集中せず、ドル建て資産を持てることで資産分散ができるメリットもあるのですが、米国株はドル建てなので、円高になるとドルの価値が下がり、米株価が上がっても円換算でみると資産価値が減少する場合があります。

 為替変動を避けるために、為替ヘッジ商品を使う手段もありますが、その分コストがかかることが多いです。

②税制リスク

 税制リスクは、米国株の配当・売買益にかかる税金に関連するリスクです。米国株投資の配当には米国で約10%の源泉税がかかり、日本のNISA口座などでも控除されないため、実質的に減配されています。

 また、日本国内でも配当や売却益に対して課税されるため、特定口座で保有している場合には二重課税の問題や税制変更の影響を受けます。

③株価上昇の伸び悩み

 ETFを構成する高配当株は多くが成熟企業であり、成長段階の企業に比べて株価上昇(キャピタルゲイン)が期待しにくい傾向があります。そのため、総リターンが限定的になることがあります。

 まあとはいえETFでまるっと買えてしまう手軽さが大きな魅力です。

 今は株高なので様子見ですが、また次の暴落が来たら買い増していきたいと思います。

日本の高配当株投資について

 一方で日本の高配当株投資は、米国株に比べると結構面倒です・・・。

 日本株は米国株のような優良ETFがないため、個別株をひとつひとつ買い集めています。セクターバランスや景気敏感・ディフェンシブ銘柄の割合なども考えながら、分散投資をして大体合計80社くらい買っています。

 セクターバランスは今こんな感じ。大きく偏りが出ないように気をつけています。これで配当利回りは約4.5%です。

メリット

運用コスト・信託報酬がかからない

 自分で個別株を買い集めてポートフォリオを組むため、ETFや投資信託とは異なり保有中の運用管理費用がかかりません。長期投資では手数料はバカにならないため、自分で手間をかけてやる価値は十分あります。

②インカムゲインだけでなく、キャピタルゲインも狙える

 選定した銘柄は、暴落などのタイミングで割安になったタイミングを狙って購入するため、配当金を受け取りながらその後の株価回復に伴ってキャピタルゲインも狙うことができます。

 良い銘柄は一度買ったら基本的に売ることはまずないですが、まれにTOBやMBOなどに伴って上場廃止される時などに売却することがあります。

③経済や世界情勢等の情報に敏感になる

 ニュースとかを見ていて経済や世界情勢などの動向に以前より敏感になりました。それまではどこか他人事として見ていてのですが、投資をしているとそれらの情報は直接株価に影響が現れるのでまさに自分事ですね。

日本の高配当株投資のデメリット

①手間がかかる

 ETFや投資信託と違って自分でポートフォリオを組むので、個別銘柄について業績や配当方針を自分で調べる必要があります。また購入した後も自分でポートフォリオをメンテナンスし続けなければならないので、楽に投資を楽しみたい人には不向きと言えます。

②減配リスク

 配当利回りだけを重視して銘柄を選定してしまうと、業績悪化した時に減配や無配になってしまうこともあります。つい利回りに目が入ってしまいがちですが、配当金を出し続けられる企業なのか、色々な指標を見た上で銘柄選定する必要があります。

③大量の封筒が届く

 個別株を多く保有していると、保有している企業から株主総会の案内や配当金通知、決算報告書など、さまざまな書類が年に2回ほど封筒で届きます。ポストがいっぱいになることも。この封筒の処理が地味に面倒で、、、早く全部電子化して欲しいものです。

 自分でポートフォリを組むやり方はとても手間が掛かるので、人によって合う合わないが綺麗に分かれるんじゃないかと思います💦

 でも良い銘柄を選んで買っていれば増配もしてくれますし、手間はかかるけどそれだけの価値は個人的には十分感じています。せっせと配当金を振り込んでくれる銘柄達がかわいく見えてきます。

 ちなみに全部単元株で買えるほど余力はないので、SBI証券から単元未満株(S株)でちょこちょこ買い足しています。まずは少額から高配当株投資を始める方はSBI証券からがおすすめです。

まとめ

 現在はオルカンの積立を中心にして、それを補う形で高配当株投資をしています。

 今後NISA枠をどんな割合で埋めていくかを考え中です。これについてはまた別で書いていきたいと思います💭